2018年 01月 19日
リコッタこぼれ話
普段何気なく呼んでいる「チーズ」という言葉
しかし日本各地にあるチーズ専門店や
取引されている国によってはそれぞれ呼び方を変えていたり
ショップ名も特徴のあるものになっていたりします。
それぞれに知っておくと小さな発見があり面白いかも…
ラテン語系
フランス語「Fromage/フロマージュ」
イタリア語「Formaggio/フォルマッジョ」
語源(Forma/形作る)
スペイン語「Queso/ケソ」
ゲルマン語系
英語「Cheese/チーズ」
オランダ語「Kaas/カアス」
ドイツ語「kase/ケーゼ」
語源(Caseu/カゼイン)説、(skwat/酸敗した、発酵した)説
リコッターロでは
イタリアで学んだことが主なので
パンフレットなどフォルマッジョと記載することもあります。
響き方が違うと味も変わって来そうで
興味深いです(^▽^)/
ちなみに
リコッタ Ricotta
「二度煮た」という意味のラテン語「リコトゥス」に由来。
何か可愛らしい響きです。。。
リコッターロも「リコッ太郎」が隠し名であったりします(嘘です)。
それはさておき
リコッタはイタリア全土で作られ
ミルクを最後まで無駄にせず利用して作られていた歴史があります。
庶民のフレッシュチーズといえど、ただの副産物というわけではありません。
チーズ作りの合間にせっせとホエイをリコッタにして出来立てを町に売りに行く
またリコッタが出来そうな頃合いに近所の村人が容器をもって買いに来るなど
親しまれ愛されているの伝わってくるのがリコッタです。
羊チーズの産地では羊乳のホエイに羊乳の全乳を入れて作るものが
最もポピュラーで人気があり甘みも強く
その濃厚な風味が料理やお菓子にしたときにも深みを与えます。
フレッシュタイプでありますが他のチーズの様に熟成が進むことは無いため
2日以内といったように短期間に消費されることが前提です。
リコッタ1つペロリといただけるものなのです。
そして、やはり作りたてが一番おいしい!!
日本に輸入されてスーパーに並んでいるものは
牛乳のホエイに生クリームやその他の添加物を入れたものが大半です。
それらは賞味期限が長いのも特徴です。とても使い勝手が良いのですが、その味わいは残念ながら本物とは言えません。
リコッタ・サラータ(リコッタ・ドゥーロ)
水分を切って塩をして熟成させたものでかなり日持ちがします。
リコッターロでもよく製造しています。
薄くスライスしてパスタやサラダにかけて食べるのがオススメ。
チーズ版調味料として大変重宝いたします!!
(当店のリコッタ・サラータをとあるチーズコンテストに出品しましたところ
当店のオリジナルアレンジリコッタとして受け取られたらしく
少々びっくりしました。
・・・昔から、あります!!!塩気、強いものです!!!
なんにせよ、精進あるのみということですね~~)
リコッタ・アッフミカータ
リコッタを燻製したもの
カラーブリア州・クロトーネの名産です。
パスタにかけてもそのままでも風味がたいへん美味しいです。
お肉、お魚料理にも合います。
フレッシュも熟成したものもありますが
現在リコッターロで作っているのはフレッシュなタイプ
サラダなどに入れると美味です。
その他、リコッターロでは
現在上記のリコッタバリエーションのほかに
◎リコッタ・インフォルナータ(リコッタアルフォルノ オーブン焼き)
↑今後、窯で焼くことを視野に取り組んでいます。
◎プローヴォラ
◎カチョッタ
◎スタジオナート
など製造しています(詳しくはこちら)。
ゆくゆくはトミーノ、ウブリアーコなども
製造再開していけたらと思っています。
チーズの原料
牛乳、山羊乳、羊乳、水牛乳、それぞれの混合
チーズの分類
「プロセスチーズ」「ナチュラルチーズ」
主なタイプ別チーズ
(※食べやすい、★知名度が高い、◎料理にしやすい)
「フレッシュタイプ」
★◎リコッタ/イタリア
ブッラータ/イタリア
★クリームチーズ/各国
★◎モッツァレッラ/イタリア
※◎マスカルポーネ/イタリア
フロマージュ・ブラン/フランス
※ブリア=サヴァラン/フランス
※ブルサン/ポワヴル
※フルーツチーズ
など
「白カビタイプ」
★◎カマンベール・ド・ドルマンディ/フランス
※サン・タンドレ/フランス
※パヴェ・ダフィノバ/フランス
ブリナータ/イタリア
★ブリ・ド・モー/フランス
※ピエール=ロベール/フランス
※ブリー(殺菌乳製)/フランス
★◎シャウルス/フランス
など
「青カビ」
◎ゴルゴンゾーラ(ドルチェ)/イタリア
※◎フィム・ダンベール/フランス
★ロックフォール/フランス
★ブルー・スティルトン/フランス
※ロッシュ・バロン/フランス
シュロップシャー・ブルー/イギリス
「自然の表皮」
ウ・ルスティヌ/フランス
カレンザーナ/フランス
セルパ/ポーランド
ロビオラ・トレ・ラッティ/イタリア
など
「ウォッシュタイプ」
◎タレッジョ/イタリア
※ピエ・ダングロワ/フランス
★モン=ドール/フランス
★エポワス/フランス
★マンステール/フランス
※ポン=レヴェック/フランス
プティ・ボンスクール/ベルギー
◎クワルティローロ・ロンバルド/イタリア
など
「シェーブルタイプ」
★※クロタン・ド・シャヴィニョル/フランス
※セル=スゥル=シェル/フランス
★◎サント=モール・ド・トゥーレーヌ/フランス
◎トリュフ/フランス
など
「セミ・ハード」
※★ミモレット4~8ヶ月熟成/フランス
★ゴーダ/オランダ
★チェダー/各国
★ルブロション/フランス
★マリボー/デンマーク
◎カチョカヴァッロ・シラーノ/イタリア
◎プロヴォローネ/イタリア
◎ラクレット/フランス
モルビエ/フランス
スカモルツァ/イタリア
など
「ハードタイプ」
※★◎グリュイエール/フランス、スイス
★◎パルミジャーノ・レッジャーノ/イタリア
※★コンテ6~8ヶ月熟成/フランス
◎グラーナ・パダーノ/イタリア
エメンタール/ノワール
エダム/オランダ
◎ペコリーノ・ロマーノ/イタリア
など
「加工したもの」
白ワイン風味や葡萄の搾りかす風味、葉っぱ包み
オイル漬けなど
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現在ではオンラインショップの普及や
日本各地でもチーズ専門店があったりと
世界のチーズが容易に手に入るようになってきました。
希少価値の高い水牛のリコッタなども作らている工房もあるみたです。
数十年前までプロセスチーズが主だった日本ですが
徐々にナチュラルチーズが普及しているようです。
チーズを作るという文化がなかった。
それは十分なタンパク質が豆腐や納豆、お味噌などで摂取できており
また、「ご飯に合う」ことが重要だったからなのかもしれません。
リコッターロでもリコッタを主に作っていますが
やはり食べやすさの観点から
お料理やお菓子にしていただければより親しみやすいかと思われます。
そして
昔のように限られた食材しか手に入らなかった頃と違い
自由に楽しむということもとっても大事だと感じました。
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by ilricottaro
| 2018-01-19 08:48